「吾輩は猫である」日本文学の傑作!感想とあらすじについて

気持ちが温かくなる本

今回わたしが紹介するのは、誰でも一度はタイトルを聞いたことがある程の名作で、

日本文学の傑作と言われる夏目漱石さんの「吾輩は猫である」です。

この本のタイトルを知らないという人は、ほとんどいないと思います。

教科書にのっていたのを覚えています。

でも「吾輩は猫である」を最後まで読んだのかさえ覚えてなかったので

今回もう一度読んでみました。

タイトルを見ても分かるようにこのおはなしは、猫目線で書かれています。

読んでみて「吾輩は猫である」のタイトルと冒頭の部分だけは覚えてました。

それだけでこのおはなしを知っているつもりでいました。

あらためて読み直してみて良かったです。

タイトルだけは知っているが、内容がよく覚えてないという方は

ぜひ一度読んで見る事をおすすめします。

「吾輩は猫である」のあらすじ

名もなき捨て猫が、ひょんな事から苦沙弥(くしゃみ)という人物の家に迷い込みます。

女中に見つかり捨てられそうになりますが、苦沙弥が女中に飼う様に諭します。

苦沙弥は自分の家に集う、美学者の迷亭や教え子の寒月とその友人の東風、

知人の独仙などと共に他愛もない話に興じます。猫は人間の言葉をしゃべる事はできませんが、知性があるので、

飼い主やその周りの人間たちの話す内容や行動について見聞きし、人間とは愚かな生き物だと見下します。

実際、苦沙弥の家に集う者たちは癖のある人物ばかりで迷亭は平気で嘘をつき人の困る事を喜びとし、

寒月は自身の研究に必要なガラス玉を作成する為に、綺麗な円形になるようにひたすらガラスを磨く作業に没頭し、

研究が疎かになる本末転倒な事ばかりをしています。金持ちの家柄の奥様に変な渾名をつけ、内輪で話の種にする。

教え子の恋話で盛り上がる。猫がねずみをやっつけるために奮闘する。

苦沙弥は近隣の学校の生徒が家の敷地内に無断で入ってくるとして生徒と喧嘩沙汰を起こす。

何気ない日常が少し変わった人物たち同士で、苦沙弥の自宅を舞台として語られます。

「吾輩は猫である」から学んだこと

物語にはさほど大きい展開はなく、大の大人達がただただ語り合っているだけの内容です。

ただ、その内容が「人間とは如何なる生き物であるか」と言うのを読者目線と猫目線から眺める事ができる作品です。

私にとってこの作品は哲学書です。事実、哲学的な表現もたくさんあります。

ネタバレになりますが、最後の結末として猫はお酒を飲み、足を滑らせ甕の水の中で溺れて死にます。その死に際の言葉が

「平安は死ぬことで得られる。南無阿弥陀仏。有り難い。」です。

この文章を読んだ時、なんと深い言葉だろうと思いました。

私は、猫が「短い生涯の中で嫌という程人間の愚かな所を見てきたし、面白可笑しく楽しくもあったが、

やはり生きるという事はとても難儀な事だ」と訴えている様に感じました。

逆説的に「生きる事は刺激なのだ」と感じました。 私は人生の半分程しか年齢を重ねていませんが、

「生きること」の目的をこの本から少しだけ悟れたと思います。

「吾輩は猫である」から今後役立てたいこと

読み終わった後の感想としては「あぁ、人生とはこんなものか」と言うのが正直な気持ちです。

この作品の登場人物達を見倣えば、気張らずに生きていく事ができるかも知れません。

失礼だと思いますが、この作品に出てくる登場人物は何でもない日常をこねまわし、変哲にしていく達人ばかりです。

この作品を読むと、自分は少し真面目に行き過ぎているのではないか、と思えてくる程です。

もちろん、この作品の人物達も大真面目です。大真面目で可笑しい事を語らいます。

人生で躓きそうになったときは、この本を読む事で何気ない日常を楽しむコツを掴めると思います。

「吾輩は猫である」の感想

気軽に読める作品ですが、とても濃い内容です。ETAホフマンの「牡猫ラムの人生観」を真似た作品と言われていますが、

猫目線から人間の言動を眺めるという物語は当時の日本の文学としては斬新な作品であったと思います。

作品の冒頭の「吾輩は猫である。名前はまだない。」はとても有名な一説です。そんな名もなき猫を通して、

人間とはこういう者だと諭してきます。苦沙弥のモデルは著者自身の夏目漱石だと言われています。

夏目漱石が海外で「神経衰弱」、今でいう精神疾患にかかった経験から、

人生の何たるかを悟りこの作品を描くきっかけになったのだと思います。

時には可笑しく、時に人生の教訓となる話をコミカルに描かれている作品です。

「吾輩は猫である」のイマイチだったところ

イマイチな所はありません。敢えて言うと、淡々と進んでいく日常の中での出来事を面白可笑しく書いている小説ですので、

ミステリーや社会派などの何か大きな目的があって最終ゴールに向かっている作品を好む方には

退屈に感じるかも知れません。 また、明治時代に発表さてた作品なので古い表現が多く、

古い表現の解説が後方のページにあり、そのページに行ったり本編に戻ったりするのがもどかしいし、煩わしく思います。

何度も読んでいると解説を覚え、気にせずに読めるのであまり苦労する事はないと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました